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塗装前の大切な素地調整

塗料は塗る物の表面にしっかりとくっつくことが必要です。
そのためには人間の瞳が瞬きをするたびに瞳の表面に水が補給され、その上を素早く油が濡れ広がるのと同じように、塗料はまず塗る物の表面に濡れ広がる事が大事になります。

塗る物の表面に汚れが残っていると、例えば金属・プラスチックなら油や離型剤が残っていたり、木材なら毛羽が残っていたりすると、濡れが悪くなって付着不足や美観をそこねる可能性が出てきます。そのため、塗る物の表面を塗装できる状態、塗料が均等に濡れ広がるように調整することが、塗装の第1歩になります。

屋根・外壁塗装や金属・木材塗装など、すべての塗装における第1歩の作業を素地調整と呼んでいます。
金属の素地調整方法は、塗る物の隅まで鋼玉を高速で叩きつけ(ショットブラストと呼びます)さびを除去します。
このさびとり作業をケレンと呼びます。クリーンがなまってケレンになったそうです。
車やプレコートメタル(PCM)の素地調整にはリン酸亜鉛化成処理と呼ばれる表面処理が行われます。
表面処理液中に鋼板を浸漬すると、鉄の一部は処理液中に溶けて、酸化・還元反応で化成被膜が形成・熟成されて、鉄表面は細かくち密な結晶(化成被膜と呼びます。)で被覆されます。
この処理で塗料の付着性と防錆性(ぼうせいせい)が向上します。
木材の素地調整では毛羽を除去するために水引き研磨を行います。
温水で表面を湿らせ、乾燥後に毛羽立った所を逆目から研磨して取り去ります。
この他、加工時の刃物による鉄汚染の除去や漂白(ともに薬品処理で修正)、打痕の修復(アイロン当て)など、他の素材にはない素地調整作業があります。